【意味怖】わたしにはほんとうに大勢の家族がいます

   2017/06/20

わたしにはたくさん家族がいます。
ほんとうにおおぜいです。ちょっと考えられないくらい。
優しくていろんな言葉を話せるおじさんや、野生的でかっこいいおにいさん。
あら、今日も2ばんめのおにいさんがタバコを吸っている。
けむい。むせそう。
またおねえさんに叱られても知らないからね。

わたしたちの生活はちょっと不思議です。
ふだんはみんなで話したり遊んだりしてるんですが、いつも誰かひとりだけいません。
気になっておねえさんに聞くと、「お仕事にでかけてるの」。
みんなが揃う時は、決まってお食事の時間だけです。
おじさんは食事の時間に厳しいひとです。
みんなが揃わないと、決して食べようとも食べさせようともしません。
みんな、おじさんが怒るととても怖いと知っているので、必ず守ります。

今日はみんなのようすがちょっとヘン。
食事の時間でもないのにみんなが部屋にいます。
でもみんな嬉しそうじゃない。なんだかたいへんそう。
わたしは子供だからむずかしいことはわからないけど、わたしも家族の一員です。
お手伝いできることがあればしたいです。
そう2ばんめのお兄さんにいうと、優しく「だいじょうぶ、気にしないで遊んでおいで」。
あれ?おにいさんタバコやめたんだ。

今日はすごい雨!お外じゃ遊べないや。
それでもみんな仕事で忙しいみたい。
いれかわりたちかわり出かけたり戻ってきたり。
まるで家の中は作戦本部!リーダーはおじさんです。
何してるか聞いたら、お外ですごーい大事件が起こってて、みんなで解決しようとがんばってるんだって。
がんばって!とおじさんを励ますと、いつものように優しく、少しかなしそうに、「ああ、頑張るよ」だってさ。
へんなおじさん。

みんな一息ついて食事をしてるときに、おねえさんがぽつりと、「もう無理ね」って言いました。
みんなためいきをついているけど、なんだろう。

きのうが嘘のような快晴の日!
外はいい天気で、気分ははれやかです。
今日はみんなニコニコうれしそう。いつもよりみんな優しいです。
ふだんいつも遊ばない、おじさんとかおにいさんともたくさん話して、今日はとても楽しい日です。
こんな日がいつも続くといいのに。

食事もいつもより豪華!それに食べても食べてもなくなりません。こんなこと初めて!まるで魔法みたいです。
「満足したかい?」
おじさんが優しく聞きます。
「うんとっても、今日はすごいすてきな日だった!」
そうわたしが言うと、みんなが一斉に立ち上がりました。
何故だか、わたしだけ立ち上がれません。はやく立たないと怒られちゃう。
あせっていると、みんながわたしをみて、優しく微笑んでいるのがわかりました。
それがすごく怖くて、なんだか悲しいのです。
なみだで目の前がゆがんできました。みんながぼやけていきます。
かなしい。なんだろう。
おいてかれる?そんな気がする。おいていかないでよ。おいていかないでよ。

気がついたら知らない病院でした。
私は窓辺の見えるベットで寝ていました。
あたりを見回すと、えらそうなお医者さんと、知らないおばさんとおじさんがいました
おばさんとおじさんが言いました。
「私たちのこと、わかる?」
知りません?誰でしょう。私の家族はどこにいったのでしょう。
そう聞くと医者は眉をひそめます。

答えてよ。

ああ、わかった。
コイツが私の家族を殺したんだ。

『【意味怖】わたしにはほんとうに大勢の家族がいます』の解説を読む

多重人格。この女の子が元の人格で、誰かひとりだけいない。仕事中→表に出ている人格。外が大変→人格統合の治療?

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