【憑依客】タクシー運転手の鳥肌体験談【操られ客】

   2017/05/03

タクシー運転手の彼は、色々と不思議な体験をしている。客に呼ばれ、山奥にある空港に出向いた時のこと。
「ちょっと道が複雑なんで、指示の通りに走ってください」
乗り込んできた客がそう言い、彼は素直に受託した。頃が深夜に近かったので、その方が無難だと思ったのだという。

初めのうちは「そこを右に曲がってください」「もう少し行くと左に折れます」と客も丁寧な指示を出していたが、段々と内容がぶっきら棒になり始めた。ぼそぼそと「右」「まっすぐ」みたいに、必要最小限のことしか言わなくなる。疲れているのかな、そう思ったがあえて聞くようなことはしなかった。

やがてタクシーは人里から随分離れた林道へ乗り入れた。そのまま、どんどんと暗い山奥へ進んでいく。さすがに豪気な彼も不安になり、本当にこれで良いのかと後部座席に呼びかけた。
すると「あれぇ! ここ一体どこですか?」
いきなり素っ頓狂な声が後ろから上がる。驚いて車を停め後ろを見ると、そこにはポカンとした客の顔があった。どこってお客さんの言う通りに走ってきたじゃないですか、彼がそう指摘すると「でも私、今運転手さんに起こされるまで眠りこけてたんです、申し訳ない」寝惚けて恐縮しまくる客を呆れて見ていたが、やがて背筋に悪寒が走った。

ナビゲートしていたのは、一体誰だ?
思わず行く手の山道を見透かしたが、闇の中には何も確認できない。即その場でユーターンし、山を出ることにした。幸いにも、それ以降は何も変わったことは起こらなかった。あのまま走っていたら、果たしてどこに連れて行かれていたのか?時々、それが気になるのだそうだ。

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