【3年越しの】避難小屋に泊まった夜、死んだ後輩が夢に出てきた【お別れ】

   2017/04/30

学生時代に泊まったことのある避難小屋に、一人で泊まった。ここへ来た全員が、また来たい場所だと言っていたのを妙に懐かしく思い出し、ほとんど無計画にやって来たのだ。簡単な食事を済ませ、翌日に備えてさっさと寝た。交通事故で死んだ後輩の夢を見た。前に来たときは一緒だった男だ。

夢の中、俺は住んだことのない街、住んだことのないアパートの一室に住んでいた。日差しは明るく、部屋全体が白く光っていた。その部屋に俺を訪ねて来ているのが、その男だった。

煙草を吸い、笑い、話をしたが、どんな話だったかは残念なことに覚えていない。
「じゃ、そろそろ行くんで」
夢の中、彼は立ち上がった。
「あいよ」という自分の返事で目が覚めた。

暗闇の中、小屋のドアが乾いた音を立てた。ドアを閉めた音だと、すぐ分かった。外へ出ると、満天の星空。乾いた空気の中、どこか遠くへ旅立つ、姿の見えない友人を、見るでもなく見送った。

彼が死んで三年。
「ずいぶん、長居をしたもんだな」
応える声は、なかった。

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