【最期の挨拶】玄関に置かれた不思議な手紙【泣ける怖い話】

 

怖いと言うよりは不思議な体験をした話です。あれは私が小学2年生だった頃の事。盆も過ぎ、夏休みの宿題の自由研究のため、自宅のリビングで作業をしていました。確か2時過ぎだったかと思います。一段落し、アイスを食べながらソファーでまったりとしていたところ、ふと誰かの視線を感じ、窓の方を見ると。

白いレースカーテンの向こうにぼんやりと人影の様な物が見えました。誰か来たのかと思い外を覗きましたが、そこには誰もおらず。見間違えたかな。なんて不思議に思いながらも作業に戻り、2、30分は過ぎた頃。また何か見られている様な感覚があり、再度追ってみると、先ほど同様にカーテンの先に同じ様な人影が。

少し怖くなりつつも、外を覗いてみると。白いシャツに、ベージュのパンツ。少しだけ痩せていましたが、知り合いのおじさんと、寄り添う様に綺麗な女の方が立っていました。

後から教えられましたが、そのおじさんは父の上司だったそうです。父自身も入社からずっとお世話になっていたとの事。子供が出来なかったのか、たまに家に来ては私と兄を実の子供の様に可愛がってくれていました。暫くは家に来ていなかった事もあり、少しだけ嬉しくなった私は「○○のおじちゃん、来たよー」と、家事をしていた母を呼びに2階へと上がりました。

母「すぐ行くから、先行っててー。」
私「分かった〜」
なんてやり取りをして、家のドアを開けて迎えに行ったのです。「おじちゃん、いらっしゃい!」と声を掛けましたが、こちらに近づく様子もありません。いつもだと、「おぉ、M(私)ちゃん。大きくなったなあ。」なんてすぐに頭を撫でてくれるのに。まぁそんな日もあるよねと片手を引っ張りながら、家へと案内しようとしました。ですが、にこやかに首だけ横に振って動いてくれません。遅れて母が来たので側に寄り、「おじちゃん来ない」と話そうと母の顔を見上げると何か驚いた様子。再びおじさんの方を見ると。女の方も一緒に微笑みながら、そしてこちらへとゆっくりとお辞儀をしました。

そこで記憶が途切れ、気付くとリビングのソファー、座ったまま寝る母の膝の上に頭を乗せて横になっていました。間も無く母も目を覚まし、この話をすると、同じ物を見たと。おじさんと一緒に居た女の方について尋ねると、少しだけ若いけど、おじさんの奥さんだと思う、と。(私が生まれる前に病気で亡くなっています)

気になって玄関を開けると、軒先に手紙の入った花束とおもちゃが置いてありました。手紙を開けてみると、綺麗な字で。
〜さん、誠に有難う御座いました。
Mちゃん、K(兄)ちゃん。兄妹仲良くね。2人が楽しそうに遊んでいるのを見ていて本当に嬉しくなりました。と。
そしてその日の夜、仕事から帰宅した父から、午前中におじさんが亡くなった事を聞かされたのです。

毎回お参りをする度に、母とこの話になります。
「きっとあの時は挨拶に来てくれたんだろうね。○○さんはKとMの事、部下の子供だからとかじゃなく、本当に可愛がってくれていたから」

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