深夜の山道で全身の関節が逆に曲がった奇形のヒトを見た

   2017/04/01

これはトラックの運転手をしている友人から聞いた話。その頃の仕事はとてもハードだったらしい。納品が終わるとまたすぐ荷積みをし次の現場へ向かうの繰り返しで、一度仕事に出ると一週間は家に帰れなかった。

その日、友人は宮城県の鳴子という場所を走ってた。時間は夜中の三時頃。道路の右側は林、左側は急な崖、すれ違う車さえない静寂の中目的地に向かっていた。前方に車のテールランプが見えたので、少しスピードを上げてその明かりに近付いて行く。その明かりの正体は、自分と同じ荷物運びのトラックだった。

「こんな夜中に御苦労さんだねえ、お互いに」などと思いつつ、そのトラックの後ろをついて走った。すると、急にそのトラックが反対車線にはみ出して、直ぐに元の車線に戻った。「なんか障害物でも避けたのかな?」と、少しスピードを落とした。前のトラックが何かを避けた場所に到達してみると、どうやら人が歩いてるらしい。しかもその車道の真ん中を。

「うわ、邪魔だなあ」と思わず声が出たが、轢いてしまったら大変だ。さらにスピードを下げて通過しようとした。トラックのライトに照らされたその人は、なんと「モジモジくん」のような全身タイツを着ていたのだ。しかも「多分、全身の関節が逆に曲がってた」らしい。初めは後ろ向きに歩いていると思った程に……。

それがギクシャクとこちらに向って歩いて来る。顔を見ると何やら早口で喋っていた。ビビったAはスピードを上げてソレを避ける。その後サイドミラーで見てみると、ソレは相変わらずギクシャクと歩いていた。

少し行った場所に、先を走っていたトラックが止まっていた。興奮していた友人は、その後ろにトラックを止めて下りてみると、先を走っていたトラックの運転手も下りて来た。

「さっきの人って……」
「お前も見たのか」
「はい……」
「何なんだろうなアレ……、まさかお化けっちゅう事はないよなあ」
「ちょっとシャレにならないですよね……」
しばらく興奮気味にそんな事を喋っていると、後側を見て「おい……戻って来たぞ……」。友人が後ろを振り返ると、さっきの人がギクシャクとこちらに向って歩いて来る。

二人ともマッハでトラックに乗り、逃げたそうです。「もしかしたら事故にでもあったんかなあ?でも全身タイツの意味がわからん」と友人は言っていました。

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