幽霊が出る物件を選んで住む変わった友人とその理由

   2017/03/27

一年前くらい被災地から引っ越してきたその子は、都内のアパートに住んでた。親しくなりたいと思ってた俺は、他の友達たちに便乗してアパートにお邪魔することが出来ることになり、かなり嬉しかった。結構いい部屋なのに家賃が安いらしく、いわく物件?と冗談で聞いたら「五人くらい死んでる」と管理人に言われたのを教えてくれた。ヤバいんじゃ、と言ったら彼女は、「もっと怖い家に住んでたから」と笑っていた。

その日、布団も人数分あるわけじゃなかったので、雑魚寝をする事になったが、夜中に変な音に気づいて目が覚めた。カリカリと天井から聞こえて来る。古いアパートだしネズミだろうと思った。カリカリいう音は、天井からだんだん窓の方に移って行って、目で追った俺は後悔した。外の光で窓の外にいる姿が見えた。

上から覗き込むような逆さまの体勢の女が、窓をカリカリかいてた。曇りガラスで良かったと思うくらいしっかり見えた。笑ってる口元が見えて本当に気持ち悪かった。人間にしては重力の働き具合だとかおかしいし、大きすぎる身体に、あわてて背を向けた。

少しして、カチャと窓の鍵が外れる音がして、泣きたくなるほど怖かった。友達が起きて開けたのかな?と思ったが、誰も起きた気配がなかった。衣擦れの音が聞こえて、近づいて来る。はぁはぁという息に、こっち来るなと願った。「あ、ダメだ」と彼女の声がして、そのとたんに部屋が揺れた。

俺は起き上がって一目散にドアに向かったけど、他の友達も同じく裸足で外に出ていた(後で聞いたら、みんなにも女が見えてたらしい)。地震かと思ったけど、外は揺れてない。部屋の主の彼女の姿は廊下になくて、部屋を覗き込むと座ったまま、窓を見ていた。あの霊が怖かったけど、彼女を置いていくわけに行かないので中に入ったら、彼女は泣いてた。

最初に逃げた時に置いていったからだと思って、必死にあやまったけど違うって言われた。結局彼女は俺達を追い出してその部屋に残った。三日後には会社もやめて、被災地に帰った。

その時にいた友達と会ったら、俺が見たのと違う話をしてくれた。女が窓をカリカリしてる時に、部屋の中にも黒い影がいたらしい。彼女の足と手をがっちりつかんでるみたいだった。女の霊が入ってきたとたんにその影が女に飛び掛かった、と同時に部屋が揺れた。あの霊、食べられちゃった気がすると、友達は言っていた。

部屋の主の彼女は、どうやら霊が出るってとこを探して、わざわざ入ったらしい。彼女について回ってる霊より強い霊を探していたそうだ。引き離したくて色々怖い目にあったが、結局無理だったらしく帰る事になったそうだ。

友達がオカ板で『空き家』って名前?で書いてたのが彼女だと聞いたんだが、まとめにもなくて困ってる。嘘か本当かわからないけど、気になってる。俺が体験した話より、怖かった家ってどんなだろうって。過去ログでも調べられなかった……

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