【幽霊の拉致】予言通り行方不明になった先輩の話

   2017/03/16

高校時代に僕がオカルトで師と仰いでいた人がいた。僕はその人の事をドーモさんと呼んでいた。ドーモさんは高校が自宅から近い癖に何故か一人暮らしをしてて、当時はよく遊びに行ってた。一人暮らしってもマンションとかじゃなく、ボロい一軒家(しかも物置に使われてたらしくガラクタで溢れかえってる)親の持ち物だから家賃の心配はないわけ。当時はかなりうらやましかった。

高三になったばかりの頃だったと思う。春の肌寒い夜、僕はドーモさん家で酒を飲んでいた。その日ドーモさんは、飲みながら部屋の整理をしていたんだけど、いきなり「あ!懐かしいもん見っけ!」と叫んだ。

僕が興味津々に見ると、なんて事はないただの絵本だった。おもしろい物が見れると期待した僕はガッカリして、また酒を飲んでた。ドーモさんは整理の手をとめ絵本を読んでいる。しばらく携帯をいじりながら一人酒を飲んでいると、なにやらドーモさんの様子がおかしい。ページを開いたまま固まっている。

様子を見ていると、ドーモさんは「…そうだった。」と呟いて、ページをめくっていき絵本を読み終えた。整理をやめたらしく僕の前に座り酒を飲みはじめた。「そうだったって何が?」と聞くと「映像が記憶をひっぱってきやがった」と呟いた。ドーモさんは少し顔色が悪いみたいだった。僕がその意味を聞こうとすると、ドーモさんは自分が子供だった時の事を語りだした。

当時、この家が物置だった頃(今もほぼ物置だが)、ドーモさんはよく遊びに来ていたらしい。秘密基地みたいな感じかな?お菓子や絵本などを持ってきて、一人の時間を堪能してたらしい。その絵本を読んでる時に、幽霊を見たって。そして約束を交わしたらしい。

なんでも当時ガキだったドーモさんは幽霊に対する耐性がなく、ガクブルで一度見てすぐ、下を向きっぱなしだったらしい。(つまり、読んでいた絵本のページをずっと見てた)その幽霊はドーモさんを連れていこうとしてたらしく、ドーモさんは「嫌だ」と首を横に振っていたけど、あまりにしつこいので「大人じゃないから知らない人についていけない。」って叫んだらしい。

それから幽霊は消えたらしいんだけど、最後に「じゃあ大人になったら連れていく、約束。」って言ったらしい。昔話を終えたドーモさんは酒を煽った。僕は「は?何それ?何で今まで忘れてたん?」と当然の質問をした。ドーモさんは「小2の頃に自力で忘れた」と平然と言った。

「あれ?ちょっと待ってこれ、あの時記憶と一緒に捨てたはず……2冊あった?待てよ…」とドーモさんがキョロキョロまわりを伺いだした。この時点でついていけなくなった僕は帰る支度をし、最後に質問した。「約束…どうするん?」ドーモさんは満面の笑みで「破る」と答えた。

高校を卒業してから、ドーモさんはいなくなった。家族でさえ行方を知らないらしい。

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