【男性不信】メールで精神的に追い込まれた恐怖の体験談

 

私が会社勤めしていた二十歳頃の話です。会社の外壁の修復作業をしに来ていた一人の男性、市川(仮名)と私は知り合いました。その人は私よりも17歳も年上だったのですが、見た目が若く見えた為、最初は27、8くらいかな?と思っていました。話すようになったのは、私の先輩が市川の友人(同じく作業員)に一目惚れして仲良くなり、市川が私を気に入っているからと何回か飲みに誘われたことがきっかけでした。

私はタイプ云々の前に、年が離れすぎていたので恋愛対象外でした。飲み会を断り続けていたある日、先輩に「真由美が来ないといつも市川が機嫌悪くて、飲み会の空気が悪くなる。嫌かもしれないけど、頼むから少し来てくれ」と言われて断れなくなってしまいました。それで、一回だけならいいかと思い飲み会に参加したのです。

話してみると市川は優しく、周りの人達からも信頼されているようで気さくな男でした。最初は皆でたわいのない話で盛り上がっていたのですが、お酒が進むにつれて来るわ来るわ、市川からの集中攻撃。
「真由美ちゃんは彼氏いないの?」
「真由美ちゃんはいつもどこで遊んでるの?」
「真由美ちゃんお酒何が好き?」
「真由美ちゃん今まで何人と付き合ったの?」
真由美ちゃん真由美ちゃん真由美ちゃん真由美ちゃん真由美ちゃん真由美ちゃん……私はいい加減うんざりで「…あー……はぁ…そうですねぇ…」とやる気無く答え、呑みに逃げてました。しばらくして先輩が酔い潰れて眠ってしまったので私はチャンス!と思い、先輩を介抱するという名目で飲み会を後にしました。

その日は特に何も無かったのですが、次の日仕事が休みで家でくつろいでいると携帯にメールが届いたのです。
『市川です。昨日は大丈夫だった?かなり飲んでたみたいだけど』
私は一瞬、訳が解りませんでした。だって、昨日私は市川とメアドを交換した覚えなどこれっぽちも無かったのです。いくら呑んでいたと言っても、私はかなりお酒に強い方なので絶対に忘れません。私が市川になぜメアドを知っているのかと問いただした所、市川はこう言いました。
「いやぁゴメンゴメン、昨日真由美ちゃんがトイレに行っている間に周りの皆が『今の内にメアドゲットしてしまえ』ってはやし立てちゃってさ、俺もその場のノリでやっちゃったんだ」
市川は私がいない間に勝手に私の携帯から自分の携帯へメールし、なんと電話まで掛けていたのです。なんでそんな事するんだと最初はなかばキレ気味に抗議しましたが、市川は何度も何度も謝り、「ただのメル友でいいから」と言うのです。あまりにも何度も謝るのでただのメル友ならと思い、その時は許してしまいました。

その後は心配していたほど頻繁にメールも来ず、安心していました。しかしある日突然、仕事が終わったら話したい事があるので会いたいとメールが来たのです。何だろうと思い会社を出た所で待っていると、市川がすぐにやって来ました。しかしその姿を見て私は愕然としました。

なんと市川は真っ白いスーツに身を包み、結婚式で花嫁さんが持っているような小さなブーケを持っていたのです。私が呆気に取られていると、市川は手に持ったブーケを私に差し出し「結婚を前提に付き合って欲しい」と言うのです。あの時の飲み会から一回も会ってまともに話しすらしてないのに、何を言っているんだこの男はと呆れていたのですが、流石に会社の前だし誰かに見られるのも嫌だったので丁重にお断りして私は市川をその場に残し走って帰りました。

しかしその日の夜からです。市川の様子がおかしくなってきました。
「さっきはゴメン。急でびっくりしたんだよね?俺は全然怒ってないよ(^^)/メールちょうだい!」
「真由美ちゃん、なんで返事くれないのかなぁ?」
「俺さぁ、けっこう気ぃ短いんだけど(^_^;)さっきの返事くれないの?いつまで延ばすつもりなの?」
「ゴメン、もうしつこくメール送りません。」
「お願い!電話だけでも出て!!」
「真由美ちゃんゴメン真由美ちゃんゴメンね。」
こんな内容のメールが朝まで何十通と届くのです。

中にはいつの間に撮ったのか、飲み会の時に私を隠し撮りした写真まで添付してありました。私はもうなんだか怒りを通り越して怖くなって、急いで市川のメアドと番号を受信、着信拒否し削除しました。本当は強く言ってやりたかったのですが、市川は私の会社を知っていたので下手に刺激して会社に来られたらまずいと思い、言えませんでした。そして市川から最後に届いたメールにはこう書かれていました。
「真由美ちゃん、死にたいって思ったことある?俺、真由美ちゃんとなら死んでもいいなぁ」
正直、ゾッとました。けれど市川の執念はそれだけでは終わらなかったのです。

最後にメールが来てから半月ぐらい経ったある日、家でテレビを見ていた私の携帯に、知らないアドレスからメールが届きました。
「今○○町のコンビニにいるんだけど真由美ちゃん家ってこの辺だよね?今日仕事休みでしょ?どっか遊びに行こうよ(^O^)/」
市川からのメールでした。市川は私の家から数百メートルと離れていない所まで来ていたのです。一体どうして?どうやって調べたのでしょう。私は驚きと恐怖でしばらく固まってしまいました。

とにかく携帯を握り絞めて急いでメアドも変え、家から一歩も出ずにこの家がどうか見つかりませんように!!と祈ってました。今思えば友達に来てもらうとか、親に電話するとか色々対策はあったんですが、情けない事にそんな事も恐怖でわからなくなっていたのです。幸い市川は私の家までは来なかったのですが、最後に最大の恐怖が私を待っていました。

メアドも変え、それからしばらく一切音信も無くなったので私はいつしか市川の事も忘れかけていました。たまに思い出しては先輩と、「本当にあいつ、ヤバすぎ。真由美も災難だったね。あんなやつだとは思わなかった」と話のネタにするぐらいになっていたころです。ある日、先輩と一緒に休憩していると、先輩が携帯を見て急に曇った表情になりました。
「…どうしたんですか先輩?」
「う?ん…今日朝からずっと知らない番号から無言電話掛かって来てるんだよね?。着信拒否にしてもまた別の番号で掛かってくるし…。何なんだろコレ」
「そうゆうの、ビシッと言った方が良いですよ?私代わりましょうか?」
「うん、ゴメンね」
私は先輩の携帯の通話ボタンを押し、電話に出ました。

案の定電話の相手はずっと無言です。
「もしもし?もしもし!」
「……………」
私は頭に来てその相手を怒鳴りつけました。
「テメーさっきからしつけーんだよ!!名乗れやコラッ!!」
「………やっと出てくれたね、真由美ちゃん。……元気?」
しわがれた、市川の声でした。思わず私は先輩の携帯を投げてしまい、身体の震えが止まらなくなりました。

その後はもう先輩と二人で半泣きになりながらその日のうちに一緒に携帯を変え、先輩は市川の友人に、市川にもうこれ以上私に関わらないように説得してもらいました。それからというもの、市川からの音信はピタリと無くなり、私も怯えずにすんだのですが元からあまり男性と関わるのが好きではなかった私は更に輪を掛けて男性不信になり、ストレスで大量に髪の毛も抜けてしまいました。繋がりは携帯電話だけなのに、あんなにも人というのは誰かを追い込む事が出来るんです。本当に怖かったです。

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