「死ぬ時の顔を写すカメラ」を実際に使ってみた話

   2017/02/11

「やるよ」
そう言って親父が俺に渡したのは、古いカメラだった。
「これにはな、人の死に顔が写るんだよ」
数ヵ月後、親父は死んだ。急性の心臓発作だった。

それから数ヶ月経ち、カメラの話を怖いもの好きの彼女に話してみた。
「そのカメラの話、本当なの?」
「撮ってみるか?」
「そうしよっか」
おい待て、冗談で言ったんだぞと思ったが、後には引けない…。

カシャ
「なんだよ、コレ」
俺の顔はいつもと変わらなかったが、彼女の顔が血塗れだった。
「なんかイタズラしたんでしょ!?」

もちろんしていない。それに、写真を撮ろうと言ったのはそっちじゃないか。取り乱したまま、彼女は帰ってしまった。俺が逆の立場だったら、そう思うと責める気にはなれない。

数日後、彼女が交通事故で死んだ。聞いた話だが、顔は血塗れだったそうだ。写真を見て以来、ずっと怯えていたらしい。あの写真を撮らなければもっと楽しく数日生きられたんじゃないか、と考えてしまう。俺は彼女の分も強く生きようと思った。

『「死ぬ時の顔を写すカメラ」を実際に使ってみた話』の解説を読む

死に顔を写す。つまり、長生きするならば老後の顔が写るはずだ。男性の顔は「いつもと変わらなかった」が。

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